新型コロナウイルスワクチンの寄診療所における保存温度を超過したワクチンの使用について

〈対象となる方〉

・7月15日～20日の期間に接種された方が対象となります。

　対象の方には現在、町職員よりご連絡させていただいております。

概要

　寄診療所における新型コロナワクチン接種において、ワクチン(ファイザー社製)を保管する冷蔵庫内で常温となった状態のワクチンを、120名に接種していたことが判明しました。
　８月４日から、対象者の方に経過説明と謝罪をさせていただき、健康状態の確認を行っています。
　常温で保存されたワクチンを接種した場合、新型コロナウイルスに対する十分な抗体が生成されない可能性があります。
　したがいまして、対象者全員について、今後、抗体検査を行い、再度のワクチン接種が必要かどうか判断させていただきます。
　接種いただいた方に深くお詫び申し上げます。

経過

７月13日(火曜日)15時00分頃
寄地区において、豪雨が発生し、それが原因にて一時的な停電があった。その際、新型コロナワクチン20本(120人分)が入った冷蔵庫の電源を事前に準備していた非常用バッテリーに接続し、温度の維持を行った。
(停電が復旧した後、通常電源に戻さなかった。)

７月14日(水曜日)
診療所は休診

７月15日(木曜日)11時00分頃
職員が新型コロナワクチンを取りに行った際、冷蔵庫内の照明がつかず、内部が暗かったため、冷蔵庫の異常に気付いた。
その際、冷蔵庫内の温度計は20℃であった。
冷蔵庫の電源をバッテリーから通常のコンセントに入れ直した。
直後、ワクチンをどうするか担当医師に相談したところ、医師の判断により使用することにした。
(その後、当冷蔵庫保管の残りのワクチンはそのまま冷蔵状態で保管を行った。)

７月15日(木曜日)11時30分頃～
ワクチンを接種した。

※計120名すべて２回目接種の方

８月２日(月曜日)17時00分頃
担当医師より町に報告がある。

８月３日(火曜日)
事案の詳細について、寄診療所職員への聞取り調査を行った。

８月３日(火曜日)15時10分頃
神奈川県健康医療局　医療危機対策本部　感染症対策グループに電話で確認した。

８月３日(火曜日)16時15分頃
間違い接種の事案にあたるとの回答を得た。

８月４月（水曜日）
対象者の方へ自宅訪問等による謝罪・説明を開始した。

８月４日（水曜日）18時30分
報道機関への記者発表を行った。

記者発表資料 [PDFファイル／163KB]

８月９日（月曜日）
対象者の方全員と連絡を取り、謝罪と説明をさせていただきました。
現時点での健康被害は報告されておりません。
抗体検査について、医療・検査機関と調整中です。今週中に、対象者の方へ日程等についてお知らせいたします。

８月11日(水曜日)
検査機関との調整が終わりました。詳細は13日以降にお知らせいたします。

８月12日(木曜日)
抗体検査の日程が決まりました。

※抗体検査を受けずに、追加の接種を受けることもできます。その場合は、新型コロナワクチン接種相談室(0800-800-4808)までご連絡ください。

８月13日(金曜日)
対象者の方全員に抗体検査のお知らせを行いました。
抗体検査および追加接種の予約の受付を開始しております。

９月17日(金曜日)
抗体検査を希望された方、ワクチンの再接種を希望された方全員につきまして、検査や再接種が終了しました。
常温になったワクチンを使用すると判断した医師は、迷惑をかけて申し訳なかったと、８月31日をもって退職しました。
寄診療所につきましては、９月１日より新しい医師を所長に迎え、月曜日から金曜日まで医療が受けられる体制を整え、診療を再開いたしました。
町といたしましては、今後も、ワクチンを接種された120名の方について、健康状態に変化がないか、経過観察を続けてまいります。

原因

・寄診療所職員において、冷蔵庫の温度管理についての注意が欠けていたこと。

・医師が国の「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向けマニュアル」に沿った運用をせずに、現場で判断したこと。

再発防止策

・冷蔵庫の温度確認を定期的に実施し、記録をします。

・停電があった際は、複数の職員で電源の接続状況の確認をします。

・推測で判断せず、国の「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向けマニュアル」に沿った運用を行います。

・町組織としての連携を密にし、報告を徹底します。